まずは第1項を確認します。
▼会社法324条1項
309条1項(株主総会の普通決議)でも解説していますが、種類株主総会も原則は普通決議で処理します。
324条の2項、3項に該当する場合にのみ、「特別決議」、「特殊決議」と加重していきます。
種類株主総会の普通決議も、議決権の過半数を保有する株主の出席と、出席した株主の議決権の過半数の賛成をもって承認可決されます。
この出席要件と決議要件は、309条1項で詳しく解説しているので、確認してみてください。
続いて第2項を確認します。
▼会社法324条2項
種類株主総会の決議は原則普通決議になり、2項で定められている事項に限り特別決議になります。1つずつ解説します。
111条2項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として108条1項7号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。)とは、全部取得条項付種類株式を新たに設ける場合のことになります。
この定款変更に関しては、その種類株主総会においても特別決議が必要になります。
例えば、以下の会社の場合、A種優先株式に新たに全部取得条項付種類株式を設ける場合、
まず、全体の株主総会で、定款一部変更の決議が必要になります。
それとは別に、A種優先株式による種類株主総会でも同様に定款一部変更の決議を取ります。
この種類株主総会の決議も特別決議になるという規定です。
全部取得条項付種類株式については、こちらで解説していますので、確認してみてください。
199条4項の決議については、リンク先を確認してみてください。
こちらの決議も特別決議が必要になっています。
200条4項の決議についても、リンク先を確認してみてください。
同じく特別決議です。
238条4項の決議については、リンク先を確認してみてください。
239条4項の決議については、リンク先を確認してみてください。
322条1項は、損害を及ぼすおそれがある場合に取る種類株主総会の決議になります。こちらも特別決議です。
347条2項の規定により読み替えて適用する339条1項の種類株主総会とは、要は108条1項9号の規定により、種類株主総会にて選任された監査役を解任する場合のことです。
選任した種類株主総会にて、特別決議で解任する必要があります。
795条4項の種類株主総会とは、要は合併等の組織再編時に、存続会社の譲渡制限株式を対価として交付する場合のことです。
こちらも特別決議です。
続いて第3項を確認します。
▼会社法324条3項
3項については種類株主総会でも特殊決議が必要です。
111条2項の種類株主総会(ある種類の株式の内容として108条1項4号に掲げる事項についての定款の定めを設ける場合に限る。)とは、新たに譲渡制限を設ける場合です。
第783条3項及び804条3項の種類株主総会とは、組織再編行為時に消滅会社等の種類株主に、対価として譲渡制限株式を交付する場合のことです。
元々、譲渡制限でない株式にも関わらず、対価として交付される株式に譲渡制限が付いているのであれば、新たに譲渡制限が付されるとの同視できますので、特殊決議が必要になっています。