まずは第1項を確認します。
▼会社法239条1項
株式の発行にも取締役への委任の規定(200条)がありますが、新株予約権についても同様の考え方です。
前条(238条)では、新株予約権の募集事項について解説しました。
新株予約権の発行は、公開会社を除いては、株主総会で決議する必要があります。
239条は、一定事項を株主総会で決めれば、具体的な発行タイミングは取締役(取締役会)に任せることが出来る、という条文です。
では、一定事項とは何か。短くまとめると以下の項目です。
・新株予約権の内容および数(1号)
・無償発行か(2号)
・有償発行なら、払込金額の下限(3号)
新株予約権の内容は、236条1項に記載していますので、確認してみてください。
新株予約権の内容の一部を紹介すると、新株予約権を行使した際に交付される株式の種類と株数、行使に際して出資される財産の額などが新株予約権の内容になります。
無償発行か有償発行かどうかも決める必要があります。有償発行の場合は、新株予約権発行時に払い込みがあるので、その払込金額の下限が必要です。
つまり、既存株主としては、上記の項目(枠)さえ定めておけば、自らの株式の希薄化を把握できますし、新株予約権の内容も把握できるので問題ないというわけです。
続いて第2項を確認します。
▼会社法239条2項
238条3項でも解説しましたが、新株予約権発行時に、無償と有償を決めますが、無償であることが特に有利な場合、また有償だがその金額が特に有利な場合は、取締役は株主総会で説明義務を負います
続いて第3項を確認します。
▼会社法239条3項
例えば、2021年1月10日の株主総会にて、新株予約権の発行について取締役への委任があった場合、2022年1月10日を割当日とする新株予約権までが有効な委任になります。
続いて第4項を確認します。
▼会社法239条4項
238条4項と同じ趣旨ですので、そちらを確認してみてください。