まずは第1号を確認します。
▼会社法155条1項1号
会社による自己株式の取得は、限られた例外を除いて長らく制約されてきたという、歴史的な背景があるようです。
興味のある方は会社法コンメンタール4を見てください。
1項1号では、107条2項3号イの事由が生じた場合、つまり取得条項付株式の取得のトリガーが発生した場合を規定しています。
取得条項付株式がとういったものかは、107条2項で解説していますので、一度見てみるのをお勧めします。
続いて第1項2号を確認します。
▼会社法155条第1項2号
138条1項1号のハと2号のハの請求とは、株式買取請求のことですが、詳細は136条、137条、138条を参照してください。
大まかに言うと、株主Aが株主Bに株を譲渡したいとけど、認めないなら会社が買い取ってね、という請求があった場合の規定です。
続いて第3号を確認します。
▼会社法155条1項3号
次条第1項は、156条1項ですが、会社と株主との合意で株式を取得する場合の規定です。
続いて第4号を確認します。
▼会社法155条1項4号
166条1項とは、取得請求権付株式の株主より、取得請求をされた場合の規定です。
取得請求権付株式については、107条2項2号で解説しています。
続いて第5号を確認します。
▼会社法155条1項5号
171条1項の決議とは、全部取得条項付種類株式の取得の決議が株主総会で承認可決された場合の規定です。
続いて第6号を確認します。
▼会社法155条1項6号
176条1項とは、相続人等に対する売渡しの請求を会社がした場合の規定です。
続いて第7号を確認します。
▼会社法155条1項7号
192条1項とは、株主より単元未満株式の買取りの請求があった場合の規定です。
続いて第8号を確認します。
▼会社法155条1項8号
197条3項各号とは、所在不明株主の株式を競売できる一定の事由が生じたが、競売でなく会社が買い取る場合の規定です。
続いて第9号を確認します。
▼会社法155条1項9号
234条4項各号とは、一に満たない端数の処理が発生し、株式を競売できる状況だが、競売でなく会社が買い取る場合の規定です。
続いて第10号を確認します。
▼会社法155条1項10号
事業譲渡等で、事業の全部の承継に伴い、その会社が当会社の株式を保有していた場合の規定です。
続いて第11号を確認します。
▼会社法155条1項11号
合併に伴い、合併消滅会社が当会社の株式を保有していた場合の規定です。
続いて第12号を確認します。
▼会社法155条1項12号
吸収分割会社からの事業の承継に伴い、吸収分割会社が当会社の株式を保有していた場合の規定です。
続いて第13号を確認します。
▼会社法155条1項13号
法務省令で定める場合とは、会社法施行規則27条に記載の事項ですが、株式を無償取得する場合などの規定です。
また、116条5項の反対株主より株式を買い取る場合など、その他にもいくつか列挙されていますので、興味がある方は確認してみてください。