まずは第1項を確認します。
▼会社法33条1項
会社法28条各号とは、現物出資や財産引受けなどに関する条文になります。
こちらの記載が定款にある場合は、原始定款を公証人の認証を受けたのち(会社法30条1項)、裁判所に対し、検査役の選任の申し立てをする必要があります。
上記は、会社財産に影響を及ぼすおそれが大きいので、問題ないかチェックしてもらうわけです。
続いて第2項を確認します。
▼会社法33条2項
裁判所は、検査役の選任の申し立てがあった場合は、不適法と判断する場合を除き、検査役の選任をしなければなりません。
続いて第3項を確認します。
▼会社法33条3項
2項で選任された検査役はもちろん無償で働いてもらうわけではありません。その費用については、会社負担となります。
続いて第4項を確認します。
▼会社法33条4項
検査役は調査後、裁判所へ調査結果を報告する義務があります。
続いて第5項を確認します。
▼会社法33条5項
裁判所は検査役の報告が足りない判断した場合は、補足の報告を求めることが出来ます。
私見になりますが、検査役の報告がいまいちでも、再調査の指示までは出来ないかと思います。
条文上も、「報告を求めることができる」となっていますし。
続いて第6項を確認します。
▼会社法33条6項
現物出資や財産引受けなどが原始定款に入っており、検査役が選任された場合、検査役は発起人に対しても、裁判所にした報告と同じ内容の報告をしなければなりません。
続いて第7項を確認します。
▼会社法33条7項
7項は、会社法207条7項にて解説していますので、リンク先を確認してください。
続いて第8項を確認します。
▼会社法33条8項
8項も、会社法207条8項にて解説していますので、リンク先を確認してください。
続いて第9項を確認します。
▼会社法33条9項
裁判所より、現物出資や財産引受けなどについて変更の決定が出たのち、発起人全員の同意で、現物出資や財産引受けなどについての定款記載事項を廃止、つまり削除することができます。
続いて第10項を確認します。
▼会社法33条10項
現物出資財産等について定義されました。
会社法28条1項1号と2号ですが、現物出資+財産引き受けのことです。
会社法28条については、設立費用でも解説しているので、興味ありましたら確認してみてください。
10項も、会社法207条9項にて解説していますので、リンク先を確認してください。
続いて第11項を確認します。
▼会社法33条11項
現物出資財産の鑑定は、利害がある人や業務停止中の者等は、証明者にはなれません(手心を加えてしまう恐れがあるため)。
平成1年29問目(会社法)
肢 | 問い | 正誤 |
エ | 発起設立の場合, 現物出資の給付の有無について、検査役の調査を受けなければならない。 |
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オ | 裁判所は,検査役の報告に基づき,現物出資に関する定款の定めを不当と認めたときは,それに変更を加える決定をしなければならない。 |
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平成30年27問目(会社法)
株式会社の設立に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。なお,問題文に明記されている場合を除き,定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして,解答すること
肢 | 問い | 正誤 |
イ | 発起設立の場合において,現物出資の目的財産である甲土地について定款に記載された価額が2000万円であって,財産引受けの目的財産である乙建物について定款に記載された価額が400万円であるときは,甲土地について定款に記載された価額が相当であることについて,監査法人の証明及び不動産鑑定士の鑑定評価を受けたときであっても,発起人は,乙建物に関する定款の記載事項を調査させるため,裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。 |
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平成31年27問目(会社法)
株式会社の設立に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお,問題を解くにあたっては、各肢に明記されている場合を除き,定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして,解答すること
肢 | 問い | 正誤 |
ウ | 裁判所は,金銭以外の財産の出資に関する事項について裁判所が選任した検査役の報告を受けた場合において,当該検査役の調査を経た当該財産を出資する者に対して割り当てる設立時発行株式の数を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。 |
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