まずは第1項を確認します。
▼会社法170条1項
引用だらけで、しかもカッコ書きもある条文になり、心が折れそうになります。
そういう時は、まずは青マーカーのカッコ書きは無視して読みましょう。
まずストレートに読みたいと思います。
107条2項3号イとは一定の事由が生じた日の事です。
一定の事由が生じた日に株式を取得する定めがある場合は、その日に会社は株式を取得する、と書いてあることが分かります。
具体的には、IPO(株式公開)や単純に20xx年12月31日と定めた場合が考えられます。
一定の事由が生じた日だけであれば1号2号は関係ありません。
関係があるのは、一定の事由が生じた日に株式の一部を取得する定めがある時です。
1号の一定の事由が生じた日と2号の169条3項の2週間前通知(公告)を経過した日のいずれか遅い日に、会社は株式を取得します。
カッコ書きに該当する時のみ1号2号が適用になるあたり、非常にややこしい作りになっています。
後半のカッコ書きは、持株数に比例して回収する方法や抽選で回収する方法により決定された株式が対象になると定めています。
続いて第2項を確認します。
▼会社法170条2項
2項は取得条項付株式の取得の対価について定めています。
一定の事由が生じた日に、あらかじめ定められた対価である1号社債、2号新株予約権、3号新株予約権付社債、4号他の種類株式(種類株式発行会社のみ)を取得します。
対価が現金等の場合は、いつ取得するのかと言うと、167条2項と同じ趣旨ですので、参照してみてください。
続いて第3項を確認します。
▼会社法170条3項
一定の事由が生じた日に株式を取得する定めがある場合の通知または公告規定です。168条2項、169条3項同様に株主と登録株式質権者に対して通知(公告)をしなければなりません。
続いて第4項を確認します。
▼会社法170条4項
3項のところにまとめましたので、省略します。
続いて第5項を確認します。
▼会社法170条5項
166条1項の取得請求権付株式で分配可能額について、若干説明しましたが、取得条項付株式の場合でも同様の考え方になります。
つまり、取得の対価として社債(ニ)、新株予約権(ホ)、新株予約権付社債(ヘ)、キャッシュ等(ト)を交付する場合、分配可能額を超えることは出来ません。