133条は譲渡制限でない株式についての規定でしたが、134条は譲渡制限株式についての規定です。
つまり、133条に規定されている共同または単独での株主名簿書換請求は、譲渡制限株式については適用外となります。
株券発行会社で、株券を保有していたとしても同様です。
譲渡制限株式は、会社の知らぬところで株主が変わって欲しくない場合に定める株式ですので、株券保有者だからといって、その者を現在の株主と認めるとすると、この趣旨に反します。
ただし、これにも134条ただし書きにもあるように、例外があります。
1号は136条の承認を受けていること、2号は137条1項の承認を受けていること、とありますが要は株主Aから株主Bに株式譲渡したいと会社に申し立てている場合は、会社も把握済みのため、134条の例外に当たります。
3号は、140条の指定買取人が登場する場面ですので、当然会社も把握済みなので、134条の例外に当たります。
4号は、相続その他の一般承継により、株を取得した者なので、当然に承継するので、134条の例外に当たります。
ちなみに、その他の一般承継とは、吸収合併消滅会社が保有していた株式を、吸収合併承継会社が承継した場合も含まれます(Legal Quest第3版P.100)。