2.会社法74条1項
まずは第1項を確認します。
▼会社法74条1項
1
設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。
創立総会も代理人に議決権を行使してもらうことができます。
設立後の株主総会の代理人による議決権行使と同じなので、会社法310条1項も確認してみてください。
3.会社法74条2項
続いて第2項を確認します。
▼会社法74条2項
2
前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。
そのままの意味ですが、代理権の授与は、創立総会ごとにする必要があります。
4.会社法74条3項
続いて第3項を確認します。
▼会社法74条3項
3
第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
株主から代理権を授与された場合、会社に対して、その旨の書面を提出する必要があります。ただし、電磁的方法による提出も可能です。
5.会社法74条4項
続いて第4項を確認します。
▼会社法74条4項
4
設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
会社法68条3項の承諾した者とは、創立総会招集通知を書面でなく、電磁的方法でよいと承諾した株主のことです。この場合、正当な理由がないのであれば、電磁的方法での代理権の授与書面を受け取らなければなりません。
6.会社法74条5項
続いて第5項を確認します。
▼会社法74条5項
5
発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。
会社としては、代理人と称する者が沢山こられても困るわけですので、代理人の人数を制限することが出来ます。
7.会社法74条6項
続いて第6項を確認します。
▼会社法74条6項
6
発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。
設立時株主が代理人に代理権行使を授与したことの書面(電磁的方法含む)について、発起人は保存義務があります。創立総会の日から3カ月間は発起人が定めた場所に備え置く必要があります。
8.会社法74条7項
続いて第7項を確認します。
▼会社法74条7項
7
設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一
代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求
二
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
設立時株主には、1項と3項の代理権を授与した書面(電磁的方法含む)の閲覧請求権があります。閲覧請求権には、持株数の制限はありません。
設立後の株主と比較(会社法310条7項)しておくと良いかも知れません。設立後は、株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主には、この閲覧請求権はありませんが、会社成立前に関しては、議決権制限がついていても閲覧請求権があります。
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