会社法70条(創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)を解説します。




会社法70条は創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等について規定している条文です。



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1.会社法70条の条文

第70条(創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)
発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。



2.会社法70条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法70条1項

発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。

67条1項3号とは、創立総会において書面決議を行う場合のことです。

書面決議は、実際に創立総会に出席せずに、議案に対して賛否を投じる決議方式ですので、その議案に関する資料と議決権行使書面も交付する必要があります。

法務省令とは、創立総会参考書類は会社法施行規則10条、議決権行使書面は会社法施行規則11条のことです。

株式会社設立後は、会社法301条1項が該当しますので、併せて確認してみてください。




3.会社法70条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法70条2項

発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。

会社法68条3項の承諾をした設立時株主とは、創立総会招集通知を電磁的方法(例えばメール)で受ける取ることを承諾した設立時株主のことです。

書面決議・電磁的方法による決議の場合、創立総会参考書類と議決権行使書面の交付は紙での交付が必要ですが、これらも電磁的方法により提供することが可能です。

ただし、設立時株主より請求があった場合は、原則どおり紙で創立総会参考書類と議決権行使書面を交付しなければなりません。






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