まずは第1項を確認します。
▼会社法44条1項
設立時取締役の解任は、原則、発起人の議決権の過半数で決定しますが(会社法43条1項)、取締役選任権付株式があり、その種類の株式を保有する発起人の過半数の決定で選任された設立時取締役(会社法41条1項)の解任は、発起人の過半数の決定ではなく、その種類の株式を割り当てられた発起人の過半数の決定をもって解任しなければなりません。
選任の入口が、取締役選任権付株式を保有している発起人なので、解任も同じく取締役選任権付株式を保有している発起人で決定すべき、ということです。
続いて第2項を確認します。
▼会社法44条2項
取締役選任権付株式があり、その種類の株式を保有する発起人の過半数の決定で選任された設立時取締役であっても、定款に全体の株主総会で解任できる、という定めがあれば、その種類の株式を保有する発起人の過半数の決定でなくとも全体の株主総会で解任できる、という規定です。
選任の入口と出口を合わせる、という1項の例外になります。
続いて第3項を確認します。
▼会社法44条3項
単元株の考え方は、会社法188条1項で解説していますので、確認してみてください。
続いて第4項を確認します。
▼会社法44条4項
会社法108条1項3号の議決権制限株式がある場合で、その株式に取締役の解任について制限が掛かっている場合、2項の定款に別段の定めがあったとしても、解任決議に参加することができません。
続いて第5項を確認します。
▼会社法44条5項
1~4項は、設立時取締役についての話しでしたが、設立時監査役にも適用されます。
ただし、過半数の決定でなく、2/3以上の多数と加重されます。
この辺りは、設立後の監査役の解任と同じです(会社法309条2項7号)。