会社法335条(監査役の資格等)を解説します。




会社法335条は監査役の資格等について規定している条文です。







1.会社法335条の条文

第335条(監査役の資格等)
第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。
監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。



2.会社法335条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法335条1項

第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。

監査役の資格等に関する規定も、取締役の規定の一部を準用します。

まず、331条1項2項を準用しているので、取締役同様、自然人でないとダメです。

会社法などの違反者や刑法上の違反者の規定も同様です。

331条の2は、取締役が制限行為能力者であった場合の規定ですが、こちらも監査役は準用することになりました。



3.会社法335条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法335条2項

監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。

監査役の兼任禁止規定です。

監査役の役割は、取締役等への監査になるので、キチンと監査ができないとダメという前提があります。



2項は、結構、登場人物が出てくるので、スっと理解するのは難しいのではないでしょうか。

こういう時は、仮に2項の兼任禁止規定がなかった場合、どうなるのか考えると理解が早まると思います。

例えば、監査役Aが取締役Aとして就任していた場合、どうなるでしょうか。

取締役たちと慣れあってしまい、監査ができなくなる可能性が高まります。

監査役Aが支配人・使用人であった場合も同様です。会社と支配人・使用人間には、主従関係がありますので、他の取締役から監査の手を緩めてもらいたい等の要請があると断りにくいでしょう。

監査役には、独立して会社の監査をしてもらいたいという会社法上の要請がありますので、2項の兼任禁止規定があるわけです。



4.会社法335条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法335条3項

監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。

監査役会設置会社は最低でも3名以上の監査役で構成されますが、半数以上は社外監査役である必要があります。

つまり、監査役が3名なら、2名以上、4名でも2名以上、社外監査役である必要があります。

過半数ではないので、ご注意ください。




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