会社法334条(会計参与の任期)を解説します。




会社法334条は会計参与の任期について規定している条文です。







1.会社法334条の条文

第334条(会計参与の任期)
第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。
前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。



2.会社法334条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法334条1項

第三百三十二条(第四項及び第五項を除く。次項において同じ。)の規定は、会計参与の任期について準用する。

332条の規定とは、取締役の任期に関する規定です。

会計参与は、取締役の任期の規定を基本的に準用しますが、332条4項332条5項は準用されません。

つまり、指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社の場合、取締役の任期同様、1年で任期が切れることになります。

定款・株主総会の決議で任期を短縮することも可能ですし(332条1項ただし書き)、委員会系でない非公開会社であれば、任期を10年にすることも可能です(332条2項)。



3.会社法334条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法334条2項

前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、会計参与設置会社が会計参与を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計参与の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。

会計参与設置会社に移行する場合、定款の変更が必要になりますが、廃止する場合も、同様に、定款の変更が必要です。

廃止をした場合、在任中の会計参与は任期満了となり、退任となります。



4.司法書士試験の過去問に挑戦


平成24年31問目(会社法)

会計参与に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものはどれか。

なお,問題を解くにあたっては,各肢に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして,解答すること。

問い 正誤
指名委員会等設置会社における会計参与の個人別の報酬は,額が確定しているものでなければならない。
クリック
株式会社の取締役は,その親会社の会計参与となることができる。
クリック



会計参与については,累積投票による選任の制度は存しない。
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会計参与は,株式会社の役員の解任の訴えの対象となる。
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監査役会設置会社においては,取締役は,会計参与の選任に関する議案を株主総会に提出するには,監査役会の同意を得なければならない。
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