会社法205条(募集株式の申込み及び割当てに関する特則)を解説します。




会社法205条は募集株式の申込み及び割当てに関する特則について規定している条文です。





1.会社法205条の条文

第205条(募集株式の申込み及び割当てに関する特則)
前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

2.会社法205条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法205条1項

前二条の規定は、募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。

総数引受契約というものです。実務では、頻繁に使われるスキームです。

新規に発行する株式の全てを投資家Aが引き受けるという契約です。

複数人であっても可能です。

初めから、今回発行する株式の全てを引き受けるという契約なので、申込み・募集事項通知(203条)や割当て(204条)は不要になります。

この辺りが、実務でも使われるスキームの所以でもあります。



3.会社法205条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法205条2項

前項に規定する場合において、募集株式が譲渡制限株式であるときは、株式会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、同項の契約の承認を受けなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

譲渡制限株式を発行する場面限定ですが、総数引受契約の承認は、株主総会の特別決議事項です(309条2項)。

取締役会設置会社では、取締役会での決議になります。

総数引受契約の承認機関は定款で別段の定めを設けることも可能です。




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