2.会社法198条1項
まずは第1項を確認します。
▼会社法198条1項
1
前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。
197条の規定により、所在不明株主の株式を競売等する場合は、そのことについて利害関係人が異議を申し立てられるように公告・個別催告をしなければなりません。
その期間は3カ月以上必要です。
3.会社法198条2項
続いて第2項を確認します。
▼会社法198条2項
2
第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。
そもそも、株主総会招集通知などの通知が届いていないのに、198条の通知も届くのかというのは置いておいて、株主名簿に記載されている住所に催告する必要があります。
4.会社法198条3項
続いて第3項を確認します。
▼会社法198条3項
3
第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。
株式が共有状態の場合、そのうちの1名を通知・催告の受領者として会社に届け出る必要がありました(126条3項)。
所在不明株主の株式を競売等する場合の催告は、その通知・催告の受領者だけでなく、株式の共有者全員に対して催告する必要があります。
5.会社法198条4項
続いて第4項を確認します。
▼会社法198条4項
4
第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。
196条1項とは、株主に通知(催告)が5年以上継続して届いていない場合、会社は通知・催告義務を免れる規定ですが、この198条の催告だけは、常にしなければなりません。
6.会社法198条5項
続いて第5項を確認します。
▼会社法198条5項
5
第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。
5項は株券発行会社限定の規定です。
1項の3カ月公告をしても、異議を述べたものがいない場合、当該期間の末日に株券は無効になります。
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