会社法165条(市場取引等による株式の取得)を解説します。




会社法165条は市場取引等による株式の取得について規定している条文です。





1.会社法165条の条文

第165条(市場取引等による株式の取得)
第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。
取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。
前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。

2.会社法165条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法165条1項

第百五十七条から第百六十条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は金融商品取引法第二十七条の二第六項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。

市場取引等に該当する場合は、156条の授権決議のみすればよく、第157条から第160条までの規定(既存株主への個別通知等)は適用されません。

こちらの規定は163条(子会社からの株式の取得)と同様なので、そちらも合わせて確認してみてください。



3.会社法165条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法165条2項

取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。

上場企業の定款に定められていることがあります。例えば以下のような記載です。

トヨタ自動車株式会社(東証一部)

当会社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる。



4.会社法165条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法165条3項

前項の規定による定款の定めを設けた場合における第百五十六条第一項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第百六十五条第一項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。

市場取引等により株式を取得する場合、2項の定めを定款に設けているのであれば、156条の授権決議は株主総会を経ずに取締役会のみとすることが可能です。




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