まずは第1項を確認します。
▼会社法144条1項
第141条第1項の規定による通知とは、会社がNGを出した後に、実際に買い取ることを決定した通知のことです。
第140条第1項第2号の対象株式の売買価格とは、会社または指定買取人が株を買い取る際の売買価格のことです。
譲渡承認請求を拒否するので株を買い取る、と言っても一体いくらで買い取るんだ、という実務でも揉める論点ではあります。
ちなみに、実務では株式を発行する際に、あらかじめ売買価格について契約書を巻いておくことが多いです。
続いて第2項を確認します。
▼会社法144条2項
2項は会社と譲渡承認請求者の間で、揉めちゃった場合の話しです。
協議がまとまらなかったら、裁判所にジャッジしてもらえます。
ただし、裁判所に申し立てられるのは、会社からの買取通知から20日以内と短めです。
続いて第3項を確認します。
▼会社法144条3項
そのままの意味です。
続いて第4項を確認します。
▼会社法144条4項
裁判所に申し立てた後、当事者で協議していたとしても、裁判所が決定した価格が株式の売買価格になります。
続いて第5項を確認します。
▼会社法144条5項
5項は、会社と譲渡承認請求者の間で協議が整わず、裁判所への申し立てもされなかった場合の話しです。
スタートアップでは有望な事業でも、赤字が続くことが普通ですので、一株当たり純資産額が売買価格となると、株主によっては損になると思います。
続いて第6項を確認します。
▼会社法144条6項
141条2項の供託とは、譲渡承認請求を拒否する際に、一定金額を供託所に供託する必要があったので、そのことを指しています。そして、売買価格が確定した場合は、会社があらかじめ供託していた金額のうち、相当する額を支払ったものとみなされます。
続いて第7項を確認します。
▼会社法144条7項
会社法お得意の読み替えです。
要は指定買取人が指定された場合は、窓口が会社から指定買取人になるので、指定買取人と協議等をしなければならず、そのことが定めてあります。