会社法143条(譲渡等承認請求の撤回)を解説します。




会社法143条は譲渡等承認請求の撤回について規定している条文です。





1.会社法143条の条文

第143条(譲渡等承認請求の撤回)
第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。
第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。

2.会社法143条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法143条1項

第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、第百四十一条第一項の規定による通知を受けた後は、株式会社の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。

条文の引用が多い1項ですが、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者とは、譲渡制限株式について、譲渡承認請求を会社に出したが、拒否するなら買い取ってね、と請求している場合の話しです。

第141条第1項の規定による通知とは、会社がNGを出した後に、実際に買い取ることを決定した通知のことです。

単にOKかNGか会社が決めた時点だったら、会社の承諾なく譲渡承認請求を撤回することが出来ますが、その先の買取決定(常に株主総会の特別決議)までいってしまって、その旨の通知を受けたのなら、撤回するには会社の承諾が必要になります。



3.会社法143条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法143条2項

第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求をした譲渡等承認請求者は、前条第一項の規定による通知を受けた後は、指定買取人の承諾を得た場合に限り、その請求を撤回することができる。

1項との違いは、会社でなく指定買取人が株式を買い取るところです。

指定買取人が指名された時点で、窓口が会社から指定買取人に変わるイメージを持てば、覚えやすいのではないでしょうか。




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