会社法81条(議事録)を解説します。




会社法81条は議事録について規定している条文です。








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1.会社法81条の条文

第81条(議事録)
創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。
設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。



2.会社法81条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法81条1項

創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。

創立総会議事録の作成義務を定めた条文です。

一定の事項は創立総会議事録に記載しなければなりません。具体的には、会社法施行規則16条に書いてあります。


会社法施行規則16条(創立総会の議事録)

法第81条第1項の規定による創立総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。
創立総会の議事録は、書面又は電磁的記録(法第26条第2項に規定する電磁的記録をいう。第七編第四章第二節を除き、以下同じ。)をもって作成しなければならない。
創立総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
創立総会が開催された日時及び場所
創立総会の議事の経過の要領及びその結果
創立総会に出席した発起人、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時執行役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の氏名又は名称
創立総会の議長が存するときは、議長の氏名
議事録の作成に係る職務を行った発起人の氏名又は名称
次の各号に掲げる場合には、創立総会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。
法第82条第1項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
創立総会の決議があったものとみなされた事項の内容
イの事項の提案をした者の氏名又は名称
創立総会の決議があったものとみなされた日
議事録の作成に係る職務を行った発起人の氏名又は名称
法第83条の規定により創立総会への報告があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
創立総会への報告があったものとみなされた事項の内容
創立総会への報告があったものとみなされた日
議事録の作成に係る職務を行った発起人の氏名又は名称



3.会社法81条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法81条2項

発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。

創立総会議事録の保管場所は、発起人が定めた場所になります。

株主総会議事録と同様、10年間の保管義務があります(会社法318条2項)。



4.会社法81条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法81条3項

設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

創立総会議事録は設立時株主者に閲覧権限があります。

会社成立後は、株主と債権者に閲覧権限があります。



5.会社法81条4項


続いて第4項を確認します。


▼会社法81条4項

株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。

親会社社員については、「その権利を行使するため必要があるとき」であって、しかも裁判所の許可まで必要になっています。





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