会社法318条(議事録)を解説します。




会社法318条は議事録について規定している条文です。







1.会社法318条の条文

第318条(議事録)
株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。



2.会社法318条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法318条1項

株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。

株主総会議事録の作成義務を定めた条文です。

株式会社であれば、最低でも年に1回は株主総会を行う必要があります。

定時株主総会と呼ばれますが、ある事業年度についての決算報告などがなされます。

議事録に記載すべき事項については、会社法施行規則72条に列挙されていますので、確認してみてください。



3.会社法318条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法318条2項

株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。

議事録の保存期間は10年です。



4.会社法318条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法318条3項

株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。

支店がある会社であれば、支店に置いても議事録を5年間備え置く必要があります。

ただし、支店にて電磁的方法により議事録が確認できるのであれば、その必要はありません。



5.会社法318条4項


続いて第4項を確認します。


▼会社法318条4項

株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

株主総会議事録は株主と会社債権者に閲覧権限があります。



6.会社法318条5項


続いて第5項を確認します。


▼会社法318条5項

株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。

親会社社員については、「その権利を行使するため必要があるとき」であって、しかも裁判所の許可まで必要になっています。




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