会社法58条(設立時募集株式に関する事項の決定)を解説します。




会社法58条は設立時募集株式に関する事項の決定について規定している条文です。







1.会社法58条の条文

第58条(設立時募集株式に関する事項の決定)
発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。)
設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。)
設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間
一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日
発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。



2.会社法58条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法58条1項

発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類及び種類ごとの数。以下この款において同じ。)
設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。)
設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間
一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨及びその一定の日

設立後の募集株式の発行(会社法199条1項)とほぼ同様なので比較してみてください。

差異としましては、設立時募集株式には現物出資がない点(会社法199条1項2号はある)、払込金額は確定した金額である必要があり算定方法で払込金額を決定することができない点(会社法199条1項2号は可能)、また一定の日までに設立の登記がされない場合、株式の引受をキャンセルできる点などがあります。




3.会社法58条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法58条2項

発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。

会社法57条2項同様、設立時募集株式の決定については、発起人全員一致で決めなければなりません。



4.会社法58条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法58条3項

設立時募集株式の払込金額その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。

考え方としては、会社法199条5項と同様で、そちらで解説しています。



5.司法書士試験の過去問に挑戦


平成31年27問目(会社法)

問い 正誤
募集設立の場合において,発起人以外の者は、金銭以外の財産の出資をすることができない。
クリック

平成28年27問目(会社法)

問い 正誤
設立時発行株式を引き受ける者の募集をする場合において,設立時発行株式の数を定款で定めていないときは,発起人は,設立時募集株式に関する事項を定める時までに,その全員の同意によって,定款を変更して設立時発行株式の数の定めを設けなければならない。
クリック




 広告・関連記事 

条文・用語一覧

< 前の条文

次の条文 >