会社法47条(設立時代表取締役の選定等)を解説します。




会社法47条は設立時代表取締役の選定等について規定している条文です。







1.会社法47条の条文

第47条(設立時代表取締役の選定等)
設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。
設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。
前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。



2.会社法47条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法47条1項

設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。

設立時代表取締役の選定方法を記載している条文になります。

設立後の会社が、取締役会設置会社の場合、設立時取締役の中から設立時代表取締役を選定しなければなりません。

なお、取締役会設置会社でない場合は、設立時代表取締役はどうやって選定するのか、会社法には記載がありませんが、商業登記ハンドブックには以下の記載があります(取締役会設置会社でも以下により設立時代表取締役を選定可能です)。



(i)定款に設立時代表取締役の氏名を直接記載する方法

(ii)定款に発起人の互選による旨の規定を置き,発起人が互選する方法

(iii)定款に設立時取締役の互選による旨の規定を置き,設立時取締役が互選する方法(定款の定めがなくても、会社法47条3項の規律が妥当すあるので、この方法自体に特段の意味があるわけではないと思われる。)

(iv)創立総会の決議により選定する方法(募集設立の場合に限る。)

(松井信憲 商業登記ハンドブック<第4版>,p66 商事法務.



3.会社法47条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法47条2項

設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。

設立時代表取締役も、他の設立時役員等(会社法43条)同様、解職することが可能です。



4.会社法47条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法47条3項

前二項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。

設立時代表取締役の選定、解職は設立時取締役の過半数をもって決定します。

発起人の議決権の過半数ではないので、ご注意ください。



5.司法書士試験の過去問に挑戦


平成23年27問目(会社法)

定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとする。

問い 正誤
設立しようとする会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には,設立時取締役は,その過半数をもって設立時代表取締役を選定しなければならない。
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