まずは第1項を確認します。
▼会社法351条1項
権利義務取締役に関する条文です。
任期満了退任・辞任をすることで代表取締役の員数が欠ける場合は、その代表取締役は退任することは出来ません。
代表取締役が欠けた場合とは
以下の会社を例にします。
・代表取締役A
・取締役B
・取締役C
代表取締役Aより代表取締役を辞任したいとの申し出があっても、後任の代表取締役を選任していない場合は、代表取締役Aは辞任することが出来ません。
定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合とは
定款に、代表取締役は2名以上との定めがある、以下の会社を例にします。
・代表取締役A
・代表取締役B
・取締役C
代表取締役Aより代表取締役を辞任したいとの申し出があっても、後任の代表取締役を選任していない場合は、代表取締役Aは辞任することが出来ません。
ちなみに、権利義務取締役・代表取締役であるものを、株主総会の決議により解任することはできませんので、ご注意ください(商業登記ハンドブック)。
続いて第2項を確認します。
▼会社法351条2項
裁判所により、選任された取締役は一時取締役と呼ばれます。
登記上は仮取締役と登記されます。
登記についても、裁判所の嘱託により登記されます。
続いて第3項を確認します。
▼会社法351条3項
一時代表取締役への報酬も、適正額を裁判所が決めます。
平成15年32問目(商業登記法)
株式会社の役員の登記に関する次の記述のうち誤っているのはどれか(取締役会設置会社以外の株式会社は考慮しない)。
肢 | 問い | 正誤 |
ア | 定款に代表取締役の定数を2名とする定めがあり,取締役4名,代表取締役2名が登記されている会社において,その代表取締役のうち1名が取締役を辞任した場合には,その者について,取締役及び代表取締役の退任による変更の登記の申請をすることはできない。 |
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イ | 代表取締役の職務代行者が招集した臨時株主総会の決議に基づく取締役の選任による変更の登記を申請する場合には,申請書に,職務代行者の臨時株主総会の招集権限についての裁判所の許可書又は仮処分命令に別段の定めがされていることを証する書面を添付しなければならない。 |
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ウ | 株主総会においてA取締役の任期を選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで,B取締役の任期を選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとして選任された取締役の就任による変更の登記の申請は、定款に取締役の任期に関する特段の定めがない限り,することができる。 |
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エ | 監査役1名を選任する旨の議案が記載された招集通知によって招集された株主総会において,選任員数が修正され,監査役2名が選任された場合には、定款に監査役の員数に関する定めがないときであっても,当該監査役2名の就任による変更の登記を申請することはできない。 |
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平成29年32問目(商業登記法)
株式会社における一時監査役の職務を行うべき者又は一時会計監査人の職務を行うべき者の登記に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
肢 | 問い | 正誤 |
ア | 一時監査役の職務を行うべき者の選任による変更の登記は,裁判所書記官の嘱託により行われる。 |
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イ | 一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記については、登録免許税は課されない。 |
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ウ | 一時会計監査人の職務を行うべき者に関する登記がされている場合において、会計監査人の就任による変更の登記がされたときは,登記官の職権により、一時会計監査人の職務を行うべき者に関する登記を抹消する記号が記録される。 |
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エ | 唯一の会計監査人が資格喪失により退任する前に,監査役会の決議によって一時会計監査人の職務を行うべき者を選任した場合には,当該監査役会の議事録を添付して,一時会計監査人の職務を行うべき者の就任による変更の登記の申請をすることができる。 |
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オ | 任期満了による退任後もなお監査役としての権利義務を有する者が存在する場合には,一時監査役の職務を行うべき者が選任されたとしても,当該選任による変更の登記をすることはできない。 |
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