2.会社法340条1項
まずは第1項を確認します。
▼会社法340条1項
1
監査役は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。
一
職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
二
会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。
三
心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
監査役には、会計監査人を直接解任する権限があります。
通常、解任手続きは株主総会の決議が必要(339条1項)なところ、監査役により解任できてしまうあたり、監査役には強力な権限があるということを再認識させられます。
3.会社法340条2項
続いて第2項を確認します。
▼会社法340条2項
2
前項の規定による解任は、監査役が二人以上ある場合には、監査役の全員の同意によって行わなければならない。
監査役による会計監査人の解任は、監査役が1名の場合であればその監査役の決定で、監査役が複数いる場合は、全員の同意が必要です。
一度就任した会計監査人を解任するので、手続きとして重くしています。
4.会社法340条3項
続いて第3項を確認します。
▼会社法340条3項
3
第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)は、その旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告しなければならない。
監査役による会計監査人の解任については、株主総会に報告する必要があります。
5.会社法340条4項
続いて第4項を確認します。
▼会社法340条4項
4
監査役会設置会社における前三項の規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査役会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査役」と、前項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査役会が選定した監査役」とする。
監査役会設置会社の場合も、監査役全員の同意により、会計監査人を解任することができます。
また、監査役会は最低でも監査役が3名集まった会議体なので、1項や3項については、監査役会で決定します。
6.会社法340条5項
続いて第5項を確認します。
▼会社法340条5項
5
監査等委員会設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査等委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査等委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査等委員会が選定した監査等委員」とする。
監査等委員会設置会社は、監査役も監査役会も置けませんので、代わりに監査等委員会が1~3項を行うという規定です。
会計監査人を解任する決定も同じく、監査等委員の全員の同意になります。
7.会社法340条6項
続いて第6項を確認します。
▼会社法340条6項
6
指名委員会等設置会社における第一項から第三項までの規定の適用については、第一項中「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第二項中「監査役が二人以上ある場合には、監査役」とあるのは「監査委員会の委員」と、第三項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、監査役の互選によって定めた監査役)」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。
指名委員会等設置会社についても、監査役も監査役会も置けませんので、代わりに監査委員会が1~3項を行うという規定です。
会計監査人を解任する決定も同じく、監査委員の全員の同意になります。
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