会社法337条(会計監査人の資格等)を解説します。




会社法337条は会計監査人の資格等について規定している条文です。







1.会社法337条の条文

第337条(会計監査人の資格等)
会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。
会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。
次に掲げる者は、会計監査人となることができない。
公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者
株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者
監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの



2.会社法337条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法337条1項

会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。

会計監査人は、計算書類等をチェックするものです。

会計監査人になれるものは、公認会計士と公認会計士事務所が法人化した監査法人のみです。

以下、公認会計士法も一部引用します。


公認会計士法 第1条(公認会計士の使命)

公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。


法律にも書かれているとおり、監査及び会計のプロ中のプロです。



3.会社法337条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法337条2項

会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。

会計監査人として選任されたものが監査法人の場合の規定です。

具体的な担当者が誰なのか会社へ通知しなければなりません。



4.会社法337条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法337条3項

次に掲げる者は、会計監査人となることができない。
公認会計士法の規定により、第四百三十五条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者
株式会社の子会社若しくはその取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者
監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの

337条3項1号は、会計監査人の兼任禁止規定などを定めています。

1号の「監査をすることができない者」とは公認会計士法24条に詳しく書いてあります。



公認会計士法 第24条(特定の事項についての業務の制限)

公認会計士は、財務書類のうち、次の各号の一に該当するものについては、第二条第一項の業務を行なつてはならない。
公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去一年以内にこれらの者であつた会社その他の者の財務書類
公認会計士がその使用人であり、又は過去一年以内に使用人であつた会社その他の者の財務書類
前二号に定めるもののほか、公認会計士が著しい利害関係を有する会社その他の者の財務書類
前項第三号の著しい利害関係とは、公認会計士又はその配偶者が会社その他の者との間にその者の営業、経理その他に関して有する関係で、公認会計士の行なう第二条第一項の業務の公正を確保するため業務の制限をすることが必要かつ適当であるとして政令で定めるものをいう。
国家公務員若しくは地方公務員又はこれらの職にあつた者は、その在職中又は退職後二年間は、その在職し、又は退職前二年間に在職していた職と職務上密接な関係にある営利企業の財務について、第二条第一項の業務を行つてはならない。

公認会計士法 第2条(公認会計士の業務)

公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする。
省略
省略

ざっくりですが、会社の役員やこれに準ずるもの、あるいは使用人であるもの、または1年以内にこれらであった者は、計算書類等について監査することは出来ません。




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