まずは第1項を確認します。
▼会社法303条1項
1項は議題・議案の提案権のことです。
議題とは、例えば、取締役を選任する議案そのものを指します。
議案とは、取締役としてAを選任する内容を指します。
2項以降に続きます。
続いて第2項を確認します。
▼会社法303条2項
カッコ書きが激しいので、青マーカー部分は一旦飛ばしてください。
1項の議題・議案の提案権は、取締役会設置会社においては要件があり、総株主の議決権数の1/100以上まはた300個以上の議決権数を6カ月以上前から所有している株主のみが、当該権利を持っています。
また、株主総会の8週間前までに議題・議案権を会社に請求する必要がありますが、定時株主総会はまだしも、臨時株主総会はいつやるのか、株主は知る由もありません。
そのため、議題・議案権を行使したい場合は、スケジュールに余裕を持って行使するしかありません。
江頭先生の書籍にも同様の記載があります。
株主は会日が何時かを正確には知らないのが通常なので、十分余裕を見込んで請求する必要がある。
(江頭憲治郎『会社法【第7版】』 有斐閣.)
ちなみに、304条との違いは、303条は事前に議題・議案を請求する権利で、304条は株主総会のその場において議案を提案することが出来る権利です。
続いて第3項を確認します。
▼会社法303条3項
公開会社でない会社は、全ての株式に譲渡制限がついているので、株の移動が頻繁に起きるものではありません。
そのため、議題・議案権が濫用されるおそれが低いため、6カ月前から保有という要件は省略されます。
続いて第4項を確認します。
▼会社法303条4項
2項の総株主の議決権数の1/100以上まはた300個以上の議決権数について、議決権を行使することができない株主の議決権数は加えません。
一定の事項とは、1項で一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)と定義されていますので確認してみてください。