まずは第1項を確認します。
▼会社法246条1項
238条1項3号とは、有償新株予約権のことです。
236条1項4号の期間とは、当該新株予約権を行使することができる期間のことです。
238条1項5号に規定する場合とは、募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日のことです。これは払込期日と定義されました。246条3項で払込期日が出てくるので、確認してみてください。
有償新株予約権とは
新株予約権には大きく分けて2つのタイプがあります。
一つは、取締役や従業員に報酬としての付与する新株予約権。こちらはストックオプションと言われます。
もう一つは、転換社債型新株予約権やJ-KISSといった有償新株予約権です。
前者は、新株予約権の発行時に、払い込みは発生しない無償ストックオプションです。
後者は、新株予約権の発行と引き換えに数千万や数億を会社に投資します。投資家向けの新株予約権が有償ストックオプションです。
どちらも、新株予約権には変わりありませんが、有償と無償という点で大きく使い方が違います。
246条は有償新株予約権についての話しになりますので、両方の違いを意識すると良いと思います。
本項を整理すると、前提として有償新株予約権限定の話しになります。
新株予約権の発行時に、新株予約権者になるものから、払い込みがあるということです。
第1に、払込期日が設けられている場合、その期日までに払い込む必要があります。
第2に、払込期日が設けられていない場合、新株予約権の行使期間の初日の前日までに、払い込む必要があります。
転換社債型新株予約権やJ-KISSなどの新株予約権は、本項に該当します。
取締役や従業員に対して発行するストックオプションは、通常無償発行ですので、違いを意識すると良いと思います。
続いて第2項を確認します。
▼会社法246条2項
新株予約権者は、会社の承諾を得たうえで、現物出資による方法や、会社に対して債権を持っている場合はそれを相殺することで、払い込みの代わりにすることができます。
前項の規定にかかわらず、とあるので236条1項の募集事項の決定の際に、上記を決めておかなければならないというわけではありません。
続いて第3項を確認します。
▼会社法246条3項
238条1項3号とは、有償新株予約権のことです。
払込期日は、246条1項で定義されましたが、238条1項5号の、募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日のことです。
上記、払込期日が定められた場合、その期日までに払い込み等をしないと、新株予約権は行使することができません。
ちなみに、実際に払い込まれなかったらどうなるのかというと、行使することが出来ないことが確定となり、287条により消滅することになります。