会社法139条(譲渡等の承認の決定等)を解説します。




会社法139条は譲渡等の承認の決定等について規定している条文です。





1.会社法139条の条文

第139条(譲渡等の承認の決定等)
株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。

2.会社法139条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法139条1項

株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

譲渡制限株式を保有している株主Aが、株主Bに株式を譲渡したいと言ってきた場合、承認機関は取締役会設置会社でない会社の場合は株主総会、取締役会設置会社の場合は取締役会です。

ただし、定款で別段の定めが可能で、実務的には「代表取締役の決定」としている会社も多いです。

承認機関が株主総会の場合、承認の要否は普通決議です。140条買取の決定は特別決議(309条2項1号)なので、ごっちゃにならないよう気を付けてください。

という私もごっちゃになりがちなので、覚え方を挙げますと・・・

譲渡承認の単なる請求に対し、会社が単にOKかNGか出すだけなので、普通決議でよい。

会社がNGを出して株式を買い取る場合、株を払い戻す(会社のお金が出ていく)ので、特別決議で加重している。

という整理でどうでしょうか。

ちなみに、譲渡承認機関を変更した場合は登記申請が必要になります。



3.会社法139条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法139条2項

株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。

譲渡承認請求者に対して、株式の譲渡をOKかNGか伝える必要があるので、当然といえば当然の規定です。




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