まずは第1項を確認します。
▼会社法130条1項
1項は、株券発行会社でない会社についての規定です。
株主Aと株主Bでの合意では、当事者間では良いとしても、会社と第三者にはどちらが株主か明らかでないので、名簿への記載が対抗要件を備える上で必須となります。
続いて第2項を確認します。
▼会社法130条2項
ややこしいところです。株券発行会社については、名簿への記載をすることで会社に対し、対抗要件を備えることが出来ます。
第三者との関係では、株券の交付があったことで、対抗要件を備えることが出来ます。
以下のとおり、図にしたので、確認してみてください。
株主A→Bへの株式譲渡 | 株券発行でない会社 | 株券発行会社 |
移転の要件 | 意思表示 | 株券の交付 |
第三者への対抗要件 | 株主名簿の書換 | 株券の交付 |
会社への対抗要件 | 株主名簿の書換 | 株主名簿の書換 |
覚え方としては、株券発行会社でない会社の方ですが、株が物理的に見えない状態なので、原則どおり、当事者間では意思表示のみで成立し、当事者以外の全てにおいては、株主名簿への記載が必要となる。
株券発行会社は、株が物理的に株券として見える状態なので、株券の交付が移転の要件と第三者への対抗要件としている。
そして、会社に対しては、常に、株主名簿への書換が対抗要件となっている、と整理すれば覚えやすいのではないでしょうか。
まず、株券発行会社でない会社を原則として覚え、例外として株券発行会社の場合を覚えると良いと思います。
表を丸暗記するのは止めておいた方がいいです。暗記はすぐに忘れるので、理解・理由付けで覚えるのをおすすめします。
平成22年28問目(会社法)
肢 | 問い | 正誤 |
ア | 株券発行会社の株式の譲渡は,その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し,又は記録しなければ,株式会社に対抗することができない。 |
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