まずは第1項を確認します。
▼会社法119条1項
119条1項は、会社と株主間で、買い取り価格が無事合意に至った場合の規定です。
効力発生日から60日以内に、決定した買取価格を新株予約権者に支払いなさい、となっています。
続いて第2項を確認します。
▼会社法119条2項
119条2項は、会社と新株予約権者で買取価格が決まらず揉めちゃった場合の規定です。
定款変更日より、30日以内に買取価格が決まらないなら、その30日経過した日から、さらに30日以内に裁判所に対し、買取価格の決定の申立てをすることができます。
最終的には、裁判所に新株予約権買取価格を決定してもらうことができますが、実務的には長い期間がかかってしまうのは、株式の場合と同様です。
続いて第3項を確認します。
▼会社法119条3項
前条第8項の規定とは、新株予約権者側から、新株予約権買取請求の撤回を申し込む場合の規定でした。
会社と新株予約権者間で買取価格で揉めているが、裁判所への申し立てもなく、定款変更日から60日経過してしまった場合の話です。
新株予約権者より、新株予約権買取請求を撤回することができます。
続いて第4項を確認します。
▼会社法119条4項
定款変更日より60日経過した日以降の利息支払義務を会社に負わせる規定です。
裁判所が新株予約権買取価格を出すのは、だいぶ先になってしまうこともあろうかと思いますが、その分の利息をも支払う義務があります。
株式買取請求権同様、会社にとって重い規定です。
続いて第5項を確認します。
▼会社法119条5項
新株予約権買取価格の決定を裁判所に申し立てている場合、会社が考える公正な価格を支払うことが出来ます。
新株予約権の代金を支払うことにより、法定利息も支払う必要がなくなります。
裁判所の価格決定が延びたとしても、利息の支払いが膨らまないように設計された規定です。
続いて第6項を確認します。
▼会社法119条6項
そのままの意味です。代金を支払ったときに新株予約権が会社に移転するわけではなく、定款変更日に移転します。
続いて第7項を確認します。
▼会社法119条7項
こちらも、そのままの意味です。新株予約権証券が現実に発行されている時は、新株予約権証券と引き換えに新株予約権の代金を支払う必要があります。
つまり、119条5項の支払いを新株予約権証券と引き換えに行う必要があります。
続いて第8項を確認します。
▼会社法119条8項
新株予約権に社債が付されているパターンの話です。7項同様の考え方になります。