まずは第1項を確認します。
▼会社法117条1項
117条1項は、会社と株主間で、買い取り価格が無事合意に至った場合の規定です。
株式分割であれば、その効力発生日から60日以内に、決定した買取価格を株主に支払いなさい、となっています。
続いて第2項を確認します。
▼会社法117条2項
117条2項は、会社と株主で買取価格が決まらず揉めちゃった場合の規定です。
効力発生日より、30日以内に買取価格が決まらないなら、その30日経過した日から、さらに30日以内に裁判所に対し、買取価格の決定の申立てをすることができます。
最終的には、裁判所に株式買取価格を決定してもらうことができますが、実務的には長い期間がかかってしまいます。
続いて第3項を確認します。
▼会社法117条3項
前条第7項の規定とは、株主側から、株式買取請求の撤回を申し込む場合の規定でした。
会社と株主間で買取価格で揉めているが、裁判所への申し立てもなく、効力発生日から60日経過してしまった場合の話です。
株主より、株式買取請求を撤回することができます。
続いて第4項を確認します。
▼会社法117条4項
効力発生日より60日経過した日以降の利息支払義務を会社に負わせる規定です。
裁判所が株式買取価格を出すのは、だいぶ先になってしまうこともあろうかと思いますが、その分の利息をも支払う義務があります。
会社にとって重い規定です。
続いて第5項を確認します。
▼会社法117条5項
株式買取価格の決定を裁判所に申し立てている場合、会社は、簿価株式価格やDCF法で算出した株式価格を支払うことが出来ます。
株式の代金を支払うことにより、法定利息も支払う必要がなくなります。
裁判所の価格決定が延びたとしても、利息の支払いが膨らまないように設計された規定です。
続いて第6項を確認します。
▼会社法117条6項
そのままの意味です。代金を支払ったときに株式が会社に移転するわけではなく、効力発生日に移転します。
続いて第7項を確認します。
▼会社法117条7項
こちらも、そのままの意味です。株券発行会社で株券が現実に発行されている時は、株券と引き換えに株式の代金を支払う必要があります。
つまり、117条5項の支払いを株券と引き換えに行う必要があります。