会社法115条(議決権制限株式の発行数)を解説します。




会社法115条は議決権制限株式の発行数について規定している条文です。



1.会社法115条の条文

第115条(議決権制限株式の発行数)
種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。

本条は公開会社かつ種類株式発行会社限定の話です。会社法108条1項3号により、議決権制限株式も設定することは可能です。

普通株式とA種優先株式を発行している会社を例にします。


<発行済株式数>
・普通株式  1,000株
・A種優先株式 100株

普通株式を譲渡制限株式に変更した場合はどうでしょうか。発行済株式総数の1,100株のうち1,000株が議決権制限株式になりますので、直ちに普通株式を550株以下にする措置を取らなければならなくなります。

A種優先株式を譲渡制限株式にした場合はどうでしょうか。発行済株式総数の1,100株のうち100株が議決権制限株式なので、問題ありませんね。

では、A種優先株式を譲渡制限株式に変更した後、A種優先株式を追加発行する場合はどうでしょうか。

追加発行は、900株までなら、発行済株式総数の2,000株のうち1,000株が譲渡制限株式なので、発行済株式の総数の2分の1を超えないので、大丈夫です。




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