会社法101条(定款の変更の手続の特則(3))を解説します。




会社法101条は定款の変更の手続の特則(3)について規定している条文です。








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1.会社法101条の条文

第101条(定款の変更の手続の特則(3))
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。
株式の種類の追加
株式の内容の変更
発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加
前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。



2.会社法101条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法101条1項

設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。
株式の種類の追加
株式の内容の変更
発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加

例えば、以下の会社があったとします。


株式会社X

  普通株式 1000株

  A種類株式 100株

  B種類株式 100株 ← 新たにB種を設ける


1号の「株式の種類の追加」についてですが、新たにB種類株式を新設する場合で、その他の株主に損害を及ぼすおそれがある場合、その種類の創立総会決議も必要になります。

この事例では、全体の創立総会、普通株主の種類創立総会、A種類株主の種類創立総会が必要です。

設立後についても同様の規定があり、こちらは会社法322条1項をご確認ください。


続いて、2号の「株式の内容の変更」ですが、以下の会社がA種の内容に変更をかけることで、その他の株主に損害を及ぼすおそれがある場合、その種類の創立総会決議も必要になります。


株式会社X

  普通株式 1000株

  A種類株式 100株


続いて、3号の「発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加」ですが、以下の会社が、発行可能株式総数を増加させたり、A種の発行可能種類株式総数を増加させたりすることで、その他の株主に損害を及ぼすおそれがある場合、その種類の創立総会決議も必要になります。


株式会社X

  普通株式 1000株

  A種類株式 100株





3.会社法101条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法101条2項

前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。

会社法322条2項の定めがある場合で、単元株式数の定款の変更であれば種類創立総会は必要ありません。







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