会社法307条(裁判所による株主総会招集等の決定)を解説します。




会社法307条は裁判所による株主総会招集等の決定について規定している条文です。







1.会社法307条の条文

第307条(裁判所による株主総会招集等の決定)
裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。
一定の期間内に株主総会を招集すること。
前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。
裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。
前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。



2.会社法307条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法307条1項

裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、取締役に対し、次に掲げる措置の全部又は一部を命じなければならない。
一定の期間内に株主総会を招集すること。
前条第五項の調査の結果を株主に通知すること。

前条5項の報告とは、306条5項の総会検査役による、裁判所への報告のことです。

株主総会の招集手続き、決議方法が適正に行われたか、あるいは賛成票が公正に集計されたか等の報告がなされ、その結果次第では、再度の株主総会の開催命令が、裁判所から取締役へ下されます(307条1項1号)。

また、総会検査役の調査結果を株主に通知する命令が、取締役に下されることもあります(307条1項2号)。

これらの命令は、常になされるわけではなく、必要があると裁判所が認める時に限られます。



3.会社法307条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法307条2項

裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、取締役は、前条第五項の報告の内容を同号の株主総会において開示しなければならない。

1項の再度の株主総会の開催命令が下された場合、その株主総会で、総会検査役による調査結果を開示しなければなりません。



4.会社法307条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法307条3項

前項に規定する場合には、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の株主総会に報告しなければならない。

裁判所による再度の株主総会の開催命令が下された場合は、取締役・監査役(監査役設置会社であれば)は総会検査役の調査結果を自らも調査し、株主総会で報告しなければなりません。

単に総会検査役の調査結果を、株主総会で開示すればよいというわけではなく、なぜこのような事態になったのか、原因などを株主総会で開示せよ、という趣旨だと思います(私見)。




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