まずは第1項を確認します。
▼会社法306条1項
306条は総会検査役に関する条文です。
総会検査役とは、招集手続き、決議方法が適正に行われているか、また賛成票が公正に集計されているかなどを調査する人のことです。
要は株主総会に関して会社と株主との間で揉めそうな場合に登場する人ですね。
総会検査役を選任するには、裁判所に申し立てをする必要があります。申し立て後、裁判所側で総会検査役を選任してくれるのですが、通常は弁護士が選任されることになります。
上場企業でも、総会検査役が選任されたことのお知らせが公告されていることがあります。
総会検査役の選任申し立てが出来るものは、会社と1/100以上の議決権を保有している株主です。
続いて第2項を確認します。
▼会社法306条2項
非常にややこしい記載ぶりです。
1項の規定を、公開会社である取締役会設置会社と公開会社でない取締役会設置会社に場合分けし、それぞれ修正しています。
公開会社でない取締役会設置会社については、取締役会設置会社はそもそも、株主総会招集通知に記載している目的事項しか決議出来ないので、その修正が入っているだけです。
公開会社である取締役会設置会社は、更に6カ月前から引き続き株式を有している株主に限定しています。
総会検査役の選任権の濫用を防ぐ趣旨です。
続いて第3項を確認します。
▼会社法306条3項
裁判所は、総会検査役の選任の申し立てがあった場合は、不適法と判断する場合を除き、総会検査役の選任をしなければなりません。1項のところで記載のとおり、総会検査役には通常、弁護士が選任されます。
続いて第4項を確認します。
▼会社法306条4項
総会検査役の報酬は、会社負担になり、その報酬額は裁判所が定めます。
続いて第5項を確認します。
▼会社法306条5項
選任された総会検査役は、招集手続きや決議方法に問題がないか、賛成票は公正に集計されているかなどを調査し、株主総会に関する証拠を保全します。
総会検査役は調査後、裁判所へ調査結果を報告する義務があります。
続いて第6項を確認します。
▼会社法306条6項
裁判所は総会検査役の報告が足りない判断した場合は、補足の報告を求めることが出来ます。
続いて第7項を確認します。
▼会社法306条7項
総会検査役は会社に対しても、裁判所にした報告と同じ内容の報告をしなければなりません。