まずは第1項を確認します。
▼会社法109条1項
1種類の株式しか発行していない会社であれば、株主ごとに平等に取り扱わなければならず、差別的な取扱いをしたとしても、それは無効になります。
種類株式発行会社(普通株式とA種類株式の2種類を発行)の場合、A種類株式のみ配当金を優先させるといった取扱いは可能ですが、1種類の株式しか発行していない会社の場合、他の株主より多い配当金をAさんのみに出す、というのは無効になります。
続いて第2項を確認します。
▼会社法109条2項
属人的株式と言われる規定です。
非公開会社限定の規定ですが、第105条第1項各号に定められている「剰余金の配当を受ける権利」「残余財産の分配を受ける権利」「株主総会における議決権」については各株主ごとに差をつけることも可能です。
非公開会社に関しては、カリスマ性のある社長だからこそ事業が成り立っている、といった事情もあるため、株主の個性を認め、広く定款自治が認められています。
ただし、「差」については、限界があるのでご注意ください。
例えば、株主Aの持株比率と配当金を他の株主の1/100とする定款の定めは地裁判決で無効となりました。(東京地立川支判平成25.9.25)
続いて第3項を確認します。
▼会社法109条3項
2項で株主ごとに異なる取扱いを定めた場合、種類株式と実質的に同じため2編と5編の規定が適用されることになります。
平成20年30問目(会社法)
肢 | 問い | 正誤 |
オ | 会社法上の公開会社でない株式会社が株主総会の議決権について株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めた場合には,各株主が有している株式の内容を登記しなければならない。 |
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