会社法105条(株主の権利)を解説します。




会社法105条は株主の権利について規定している条文です。



1.会社法105条の条文

第105条(株主の権利)
株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
剰余金の配当を受ける権利
残余財産の分配を受ける権利
株主総会における議決権
株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。

2.会社法105条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法105条1項

株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
剰余金の配当を受ける権利
残余財産の分配を受ける権利
株主総会における議決権

第1項は、株主として最初から持っている権利になります。

「一 剰余金の配当を受ける権利」とは、上場企業であれば、期末配当の他に、中間配当もあったりしますが、その際に、主に現金での配当を受ける権利があるということです。

「二 残余財産の分配を受ける権利」とは、会社が解散した際に、会社の債権・債務を整理し、最後に残った資産を持株数に応じて、株主に分配しますが、その際に分配が受けられる権利のことです。

「三 株主総会における議決権」は、株主総会に出席し、議案に対して、賛否の議決を投じられる権利です。

青いマーカー部分は、株主は上記の他に、様々な権利を持っているので、そのことを指しています。

多岐に渡るので、少し例をあげると、株主総会での議案提案権(会社法304条)であったり、責任追及等の訴え提起権(会社法847条)であったり、定款(会社法31条)・議事録(会社法318条、371条など)・株主名簿(会社法125条)の閲覧請求権だったり、株主は様々な権利を持っています。


3.会社法105条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法105条2項

株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。

「前項第一号及び第二号」とは、それぞれ「剰余金の配当を受ける権利」と「残余財産の分配を受ける権利」のことです。

制限するならどっちかは残しておく必要があり、両方とも制限する定めは無効です。




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