会社法50条(株式の引受人の権利)を解説します。




会社法50条は株式の引受人の権利について規定している条文です。







1.会社法50条の条文

第50条(株式の引受人の権利)
発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。
前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。



2.会社法50条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法50条1項

発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。

会社法34条あたりでも、出資の履行について規定がありますが、発起人が株主となるのは、会社成立の時です。

ちなみに、株式会社設立後の募集株式の発行では、払込期日は払込期日に、払込期間では払い込んだ日に株主となります(会社法209条1項)。混同しないようご注意ください。



3.会社法50条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法50条2項

前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。

2項は、出資の履行をした後、会社成立後の前までに、発起人が他者へ株主となる権利を譲渡した場合の規定です。

発起人(譲渡人)も譲受人も、成立後の株式会社に対抗できません。



4.司法書士試験の過去問に挑戦


平成3年37問目(会社法)

問い 正誤
設立時募集株式の引受人は,設立時発行株式の株主となる権利を第三者に譲渡したときは,その譲渡を会社に対して主張することができる。
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昭和60年30問目(会社法)

問い 正誤
発起人が第三者に対してする設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は,当事者間においてもその効力を生じない。
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