会社法428条(取締役が自己のためにした取引に関する特則)/条文と解説




会社法428条は取締役が自己のためにした取引に関する特則について規定している条文です。




1.会社法428条の条文

第428条(取締役が自己のためにした取引に関する特則)
第356条第1項第二号(第419条第2項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第423条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。
前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。

2.会社法428条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法428条1項

第356条第1項第二号(第419条第2項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第423条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。

取締役が会社とした自己取引についての話で、株主総会で直接取引について了承を得た場合であっても、会社に損害が発生したのであれば損害を負います。任務を怠っていなかったとしても同じです。


3.会社法428条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法428条2項

前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。


前3条を表にまとめると以下です。


条  文 内  容
427条 責任限定契約の範囲のみ責任を負う。
426条 取締役会の決議で責任の一部免除ができる。
425条 株主総会の決議で責任の一部免除ができる。

会社と取締役との自己取引で生じた賠償責任は、上記条文の適用はありません。

424条の適用は受けられるので、自己取引で生じた賠償責任は総株主の同意のみで免除されます。




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