会社法305条(議案の通知請求権)を解説します。




会社法305条は議案の通知請求権について規定している条文です。







1.会社法305条の条文

第305条(議案の通知請求権)
株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。
公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。
第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。
前三項の規定は、第一項の議案が法令若しくは定款に違反する場合又は実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。



2.会社法305条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法305条1項

株主は、取締役に対し、株主総会の日の八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知すること(第二百九十九条第二項又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。ただし、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、当該請求をすることができる。

株主は自己の議案の要領を株主に通知するよう、取締役に請求することが出来ます。

例えば、取締役として新たにAを推薦したい場合、Aについての情報を株主に通知してもらうよう請求出来ます。

取締役会設置会社においては要件があり、総株主の議決権数の1/100以上まはた300個以上の議決権数を6カ月以上前から所有している株主のみが、当該権利を持っています。

305条は303条と似ているため、比較して見てみることをお勧めします。



3.会社法305条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法305条2項

公開会社でない取締役会設置会社における前項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とあるのは、「有する」とする。

公開会社でない会社は、全ての株式に譲渡制限がついているので、株の移動が頻繁に起きるものではありません。

そのため、議題・議案権が濫用されるおそれが低いため、6カ月前から保有という要件は省略されます。



4.会社法305条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法305条3項

第一項の株主総会の目的である事項について議決権を行使することができない株主が有する議決権の数は、同項ただし書の総株主の議決権の数に算入しない。

1項の総株主の議決権数の1/100以上まはた300個以上の議決権数について、議決権を行使することができない株主の議決権数は加えません。




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