会社法128条(株券発行会社の株式の譲渡)を解説します。




会社法128条は株券発行会社の株式の譲渡について規定している条文です。



1.会社法128条の条文

第128条(株券発行会社の株式の譲渡)
株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。
株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。

2.会社法128条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法128条1項

株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。

前提として、128条は株券を発行している会社限定の話しです。

株券発行会社の場合、株主Aが株主Bに株式を譲渡しようとする場合は、株券も株主Bに渡さないとその株式譲渡は無効となります。

ただし、会社が自己株式を処分(募集株式の発行で自己株式を交付する場合など)をする場合については、この限りではありません。こちらについては、会社法129条1項も確認してみてください。



3.会社法株券発行会社の株式の譲渡条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法128条2項

株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。

株券発行会社であっても、現実に株券を発行していない場合があります。129条2項を確認してみてください。

株主Aから株主Bに株を譲渡する場合、会社に株券の発行を申し入れ、その株券を株主Bに渡さない限り、株券発行会社に対しては、効力を生じません。ただし、株主AB間については効力は生じていますので、ご注意ください。




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