会社法122条(株主名簿記載事項を記載した書面の交付等)を解説します。




会社法122条は株主名簿記載事項を記載した書面の交付等について規定している条文です。



1.会社法122条の条文

第122条(株主名簿記載事項を記載した書面の交付等)
前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。
前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。
第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。

2.会社法122条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法122条1項

前条第一号の株主は、株式会社に対し、当該株主についての株主名簿に記載され、若しくは記録された株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該株主名簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。

株主側から、会社に対し、「私がA社の株主であることの証明書を出してください」と請求できる権利です。

投資契約に、募集株式の発行後、遅滞なく株主名簿記載事項証明書を交付すること、などと書かれていることが多いです。



3.会社法122条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法122条2項

前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。

単に株主名簿記載事項証明書を印刷しただけでは、会社側が準備してくれたものとの担保が取れないので、法定で代表取締役の署名または記名押印と定められています。



4.会社法122条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法122条3項

第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。

株主名簿記載事項証明書は書面だけでなく、電子ファイルも認められています。実務では、ワードで作成することが多いのではないでしょうか。

その場合でも、電子署名等の処理が必要になります。



5.会社法122条4項


続いて第4項を確認します。


▼会社法122条4項

前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。

株主名簿記載事項証明書は株券発行会社には適用されません。

株券に同様の記載事項があるので不要でしょ、という趣旨かと思います。




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