教授 : 株式会社A(以下「A社」という。)を最終完全親会社等とする株式会社B(以下「B社」という。)が、株式会社C(以下「C社」という。)と取引をした結果、B社の代表取締役Dの責任により、B社が10億円の損害を被り、C社が10億円の利益を得たという事例を考えてみましょう。B社C社間の取引がされた日において、B社の株式の帳簿価額は、A社の総資産額の5分の1を超えていたものとします。まず、A社の株主であるEが、代表取締役Dに対する特定責任追及の訴えの提起の請求(以下「提訴請求」という。)をする場合には、どのように提訴請求をすることとなりますか。
学生 : ア提訴請求は、A社を介してB社にする必要があります。株主Eは、提訴請求をするに当たり、一定数のA社の議決権等を有していることなどが必要となりますが、これらを確認することができるのは、A社だからです。
2016年 第34問1