会社法82条(創立総会の決議の省略)を解説します。




会社法82条は創立総会の決議の省略について規定している条文です。








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1.会社法82条の条文

第82条(創立総会の決議の省略)
発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。
発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
前項の書面の閲覧又は謄写の請求
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。



2.会社法82条1項


まずは第1項を確認します。


▼会社法82条1項

発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。

発起人が提案した議案について、設立時株主が全員書面・電磁的方法により同意した場合は、有効な決議とするみなし創立総会の決議に関する条文です。

実際に発起人・設立時株主が集まって開催する創立総会とは別物です。

創立総会そのものを開催する必要がありません。





3.会社法82条2項


続いて第2項を確認します。


▼会社法82条2項

発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。

開催形式の創立総会議事録と同様(会社法81条2項)に、みなし創立総会議事録も10年間の保管義務があります。



4.会社法82条3項


続いて第3項を確認します。


▼会社法82条3項

設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
前項の書面の閲覧又は謄写の請求
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

創立総会議事録は設立時株主者に閲覧権限があります。会社成立後は、株主と債権者に閲覧権限があります(会社法81条2項)。



5.会社法82条4項


続いて第4項を確認します。


▼会社法82条4項

株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。

親会社社員については、「その権利を行使するため必要があるとき」であって、しかも裁判所の許可まで必要になっています。





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