会社法341条(役員の選任及び解任の株主総会の決議)を解説します。




会社法341条は役員の選任及び解任の株主総会の決議について規定している条文です。







1.会社法341条の条文

第341条(役員の選任及び解任の株主総会の決議)
第三百九条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行わなければならない。


役員の選任・解任については、309条1項に記載のとおり、普通決議で決議します。

普通決議は、定款で別段の定めをすることが可能で、トヨタ自動車のように出席要件は排除している場合が多いです。


株主総会の決議は、法令または本定款に別段の定めがある場合を除き、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもってこれを行なう。

(トヨタ自動車 定款 第24条(決議方法))



上記のような定めが定款にある場合、1株しか保有していない株主のみ出席・賛成した場合でも、普通決議は可決することになります。

ただし、役員の選任・解任については、本条のとおり、原則、


出席要件議決権の過半数を有する株主が出席していること
決議要件:出席した株主の議決権の過半数が賛成票であること

での決議が必要ですので、注意してください。

定款で別段の定めをすることで、出席要件のみ議決権の1/3以上を有する株主が出席、と決議要件を緩められます。



2.司法書士試験の過去問に挑戦


平成8年31問目(会社法)

定款に「株主総会の決議は,会社法に別段の定めがある場合を除き,出席した株主の数のいかんにかかわらず,出席した株主の議決権の過半数をもって行う。」との定めがある株式会社の株主総会に議決権を行使することができる株主の議決権の約4分の1を有する株主が出席した場合において,出席した株主の議決権の過半数をもって決することができる事項は次のうちどれか。

問い 正誤
取締役の選任
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株式の併合
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監査役の報酬の決定
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事業の重要な一部の譲渡
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