会社法185条(株式無償割当て)を解説します。




会社法185条は株式無償割当てについて規定している条文です。







1.会社法185条の条文

第185条(株式無償割当て)
株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。




株式無償割当てといわれる手続きです。新たに払込みをさせずに株主に株式を割当てることが出来ます。

割当てる際には、特定の株主にのみ株式を割当てる、ということは出来ません。

持株比率に応じて割り当てる必要があります。

以下、具体例です。



株式会社X
  ・普通株式1,000株
    Aさん(500株保有)
    Bさん(300株保有)
    Cさん(200株保有)


会社は1株に対し、株式無償割当ての方法で新たに0.1株を割り当てることを決めました。

株式無償割当て後は以下のようになります。



<株式無償割当て後>
株式会社X
  ・普通株式1,100株
    Aさん(550株保有)→ +50株
    Bさん(330株保有)→ +30株
    Cさん(220株保有)→ +20株


また、種類株式発行会社で合った場合、他の種類株式を無償割当てすることも出来ます。根拠は以下の書籍です。


種類株式発行会社の場合、株式無償割当てでは、ある種類の株主に対して、同一または異なる種類の株式を割当てることができる。

(弁護士 戸嶋浩二 森・濱田松本法律事務所『株式・種類株式(第2版)』  中央経済社.)

186条以降でも株式無償割当ての解説は続きます。






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